LIMING(利茗機械)、200万米ドル(約3億1千万円)を投じて生産ラインをアップグレード

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― グローバル展開を加速し、人型ロボット市場の兆円規模のチャンスを狙う ―

 精密減速機の世界的リーディングメーカーである利茗機械(LIMING)は、グローバル展開をさらに加速させている。インドやブラジルなどの新興市場を開拓した後、2025年第1四半期には日本・大阪に戦略的オペレーションセンターを設立。同時に、台湾本社工場のベベルギア(傘歯車)生産ラインに200万米ドルを投資し、設備のアップグレードを実施した。この一連の動きは、創業56年を誇る老舗メーカーが、兆円規模に成長するヒューマノイドロボット市場への本格参入を宣言したことを意味している。

 日本市場では、大阪拠点にローカル倉庫を設け、サーボシステム専用の高精度プラネタリ減速機を中心とした即納体制を構築。米国市場では、「軽資産型」の代理店モデルを採用し、堅実な拡大を続けている。さらに、インド・ブラジル・トルコの3地域では、売上が3年連続で30%以上の成長を維持し、「リスク分散の黄金トライアングル」を形成している。

 新たに稼働を開始したベベルギア生産ラインには、ドイツのグリーソン(GLEASON)社製最先端加工設備を導入。加工精度は±0.005mm(人の髪の毛の約1/15)を実現し、ヒューマノイドロボットの関節モジュール向けに最適化されている。

 利茗機械の林育興 総経理は次のように語る。
「私たちが開発した“上半身に波動減速機、下半身にプラネタリ減速機”を組み合わせた独自構造は、テスラのOptimusやUBTECH(優必選)のWalker Xなど、トップ企業による厳格な認証をすでに通過しています。」

 台湾で唯一、波動減速機とRVサイクロイド減速機を同時に量産できるメーカーとして、利茗機械は次の3つの強みを有している。

  1. 世界主要ロボットアーム部品サプライヤーTOP5に選出
  2. 8mmのマイクロギアから2.5m級の大型ギアユニットまで対応する高いカスタム設計能力
  3. 機電一体化による総合ソリューション提案力

 世界のヒューマノイドロボット産業は、現在、急速な成長期を迎えている。市場調査機関 MarketsandMarkets によると、精密減速機市場の年平均成長率は28.7%に達する見込みだ。利茗機械の今回の戦略的アップグレードは、この産業転換期において、絶妙なタイミングでの布石となる。